開発コンセプト
柱梁接合部内への鉄筋の必要定着長さは、鉄筋の太さ、材料強度に比例して長くなり、柱梁接合部のコンクリート圧縮強度に反比例して短くなる。 |
- 柱梁接合部に高強度PCM「クロスハード」(圧縮強度60N/mm2級)を用いることで、鉄筋の必要定着長さを短くし、スレンダーな柱梁部材で強度の高い鉄筋の使用を可能に。小断面で高耐力のRCフレームを実現。
- 柱・梁には普通コンクリートを使用し、柱梁接合部のみに「クロスハード」を用いることでコストを低減。
- 60N/mm2級のコンクリートを供給できない地域や小規模の補強工事にも最適。
工法の特徴
外観デザイン
ノンブレース型で建物外観に調和する耐震補強工法
スレンダーな補強部材
柱梁接合部に高強度ポリマーセメントモルタルを用いたスレンダーな補強部材
居ながら補強
外付け型で建物を利用しながらの工事が可能
フレキシブル
自由な補強部材断面で様々な建物にフィットする高い設計対応力
ローコスト
普通コンクリートと高強度ポリマーセメントモルタルとのハイブリッドでコストを低減
補強のタイプ
増設フレーム補強型
既存建物の外面に接して鉄筋コンクリート造フレームを増設するタイプです。
新設フレーム補強型
既存架構外側に基礎を有する自立型の鉄筋コンクリート造フレームを新設し、既存架構と新設フレームを新設のバルコニー(床)で接合するタイプです。
一般的なRC造とデザインUフレーム工法の耐力比較
一般的なRC造 (Fc=21N/mm2) | デザインUフレーム工法 | ||
柱梁接合部 | 普通コンクリート Fc=21N/mm2 | クロスハード Fc=60N/mm2 | |
柱配筋※1 | 引張 主筋 | D25(SD345) [Tu=192kN] | D29(SD490) [Tu=330kN] Tu: 鉄筋1本の引張抵抗力(設計値) |
せん断 補強筋 | D13(SD295A) [Tu=37kN] | U12.6(SBPD1275) [Tu=159kN] | |
柱1本の耐力※2 | Qu=550kN | Qu=950kN | |
耐力比 | 1.00 | 1.72 |
※1 柱の主筋は、梁せいを700mmとしRC規準2010の通し配筋制限より設定。
※2 柱の耐力は、柱軸力=0、柱内法高さ2.0m、柱脚柱頭が曲げ降伏するとして算定。
※2 柱の耐力は、柱軸力=0、柱内法高さ2.0m、柱脚柱頭が曲げ降伏するとして算定。
柱断面
引張主筋6-D25(SD345)
引張主筋6-D29(SD490)
構造実験による耐震補強効果の実証
様々な構造実験を実施し、補強フレームの柱梁接合部に高強度ポリマーセメントモルタル「クロスハード」を使用することで、高い鉄筋定着性能を確保でき、設計期待値以上の十分な補強効果があることを確認しました。
接合部試験体の加力実験
柱梁接合部に「クロスハード」を用いた接合部試験体の加力実験
補強架構の加力実験
補強架構(増設フレーム補強型)の加力実験
実験結果
増設フレーム補強型試験体 荷重変形関係
「建築技術性能」を取得
デザインUフレーム工法は、厳しい審査をクリアし、一般財団法人日本建築総合試験所の「建築技術性能証明」を取得しています。
「建築技術性能証明評価概要報告書」には設計施工指針が示されており、本指針に準拠して設計・施工を行うことで、所要の補強性能が確保されます。
「建築技術性能証明評価概要報告書」には設計施工指針が示されており、本指針に準拠して設計・施工を行うことで、所要の補強性能が確保されます。
建築技術性能証明書(GBRC性能証明 第13-27号)
建築技術性能証明評価概要報告書